2010年10月6日水曜日

希望の光…3

そういう経緯で「レイ」という名前は特別な思いと素敵な意味が詰まったものとなっていた…。


そして…


「この子にどうしてもつけたい名前がある」そう言ったtearにneoはわかってる…と言うように頷いた。

競技馬のレイから離れ、ちょうど4年が過ぎたひんやりとした春の朝、エオの谷の厩舎でのことだった。

「レイ…」厩舎にうずくまる生まれたばかりの子馬に呼びかけたtearに、
「やっぱり」neoはそう言って、そうだと思ったと頷いた。

「レイにしよう!こんなにピッタリでいい名前はないよ!」neoの言葉に、張りつめていた何かが崩れ、涙が後から後からこぼれ落ちていた。

2009年4月28日の朝のことだった。

レイ…という名前は「希望の光」という意味を持っている。

neoと2人、そのまんまの思いを祈りとともにレイに送った朝、レイの隣には、もう自分では立つことのできない母馬ピンキーが荒い息をしながら横になっていた。

その日の前夜、激しい異常な陣痛とともに始まった出産は、母馬にとって最悪のシナリオを作り上げていったのだった。

異常出産の中、辛うじて取り上げた子馬からも生命の力強さは感じられなかった。

そんな中で、そんな状況だからこその命名だったのだ。

それが、レイと名付けた2頭めの馬だった。

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