そして…
「この子にどうしてもつけたい名前がある」そう言ったtearにneoはわかってる…と言うように頷いた。
競技馬のレイから離れ、ちょうど4年が過ぎたひんやりとした春の朝、エオの谷の厩舎でのことだった。
「レイ…」厩舎にうずくまる生まれたばかりの子馬に呼びかけたtearに、
「やっぱり」neoはそう言って、そうだと思ったと頷いた。
「レイにしよう!こんなにピッタリでいい名前はないよ!」neoの言葉に、張りつめていた何かが崩れ、涙が後から後からこぼれ落ちていた。
2009年4月28日の朝のことだった。
レイ…という名前は「希望の光」という意味を持っている。
neoと2人、そのまんまの思いを祈りとともにレイに送った朝、レイの隣には、もう自分では立つことのできない母馬ピンキーが荒い息をしながら横になっていた。
その日の前夜、激しい異常な陣痛とともに始まった出産は、母馬にとって最悪のシナリオを作り上げていったのだった。
異常出産の中、辛うじて取り上げた子馬からも生命の力強さは感じられなかった。
そんな中で、そんな状況だからこその命名だったのだ。
それが、レイと名付けた2頭めの馬だった。
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